恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『どした?ミチ』
呆然と窓の外を見つめ続けていたあたしに気付いたのか、タクがそう言って近付いてきた。
そしてその視線の先を同じように見つめたタクは、あたしに言ったの。
『あ、翔さ、秋野さんと付き合ったんだ』
『えっ?』
『バレンタインデーの翌日にさ、秋野さんこの教室までわざわざ返事聞きに来て。しかもみんなの前で“翔くん付き合ってよ”とか超積極的だったんだよね』
『そう…なんだ…』
『翔もさ、なんかビックリしてたけど、秋野さんに言われちゃ断る理由なんかないじゃん?だからあいつ“はい、喜んで”とか言っちゃって』
『ふーん……』
あたしの知らない間に。
翔には秋野さんという彼女が出来ていた。