恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
新しいクラスに足を踏み入れたあたしは、
教室の中をジーッと見渡す。
全然…違う。
景色も、匂いも、聞こえてくる声も。
一年生の時と、全然違う。
この場所には…
あたしの居場所がないような、そんな気持ちになった。
『未知ちゃんだよね、よろしくね!』
でも、自分の席に座ってすぐ、
小林 千鶴という子が、すぐにあたしに声をかけてくれて。
『よろしくね』
あたしは…なんだか少しだけホッとしてた。
そっか……そうだよね。
もっと友達、作ればいいんだよね。
そうやって友達を、増やしていくんだよね。
自分に言い聞かせるように。
あたしは、新しいクラスに馴染んでいこうとそっと心に決めた。