恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『でもまさかみんな見事にバラバラになるとは思わなかったよね』
『うん、ほんと見事にバラバラだもんね』
『でもね、でもね、新しいクラスにさ、ちょっとカッコイイ高木がいるんだ♪しかも隣の席♪』
『そうなんだぁ?良かったじゃんマナ』
『ミチのクラスにはいないの?イケメン』
『んー?そうだなぁ…』
青空の下。
暖かい風に包まれながら、気持ち良さそうに寝転がる翔達三人の隣で。
あたしとマナはそんな会話を交わしていた。
『えっ?いるのかイケメン?』
そしたらいきなりそうやって翔が割り込んできたから。
『い、いるよ。イケメンってゆーか…誰なのかは内緒だけど』
あたしはそう言って、なんか小さなウソをついた。
『誰だよ』
『教えない』
『教えろって』
『やだ。なんで翔に教えなきゃなんないの』
そして気付いたら、河川敷に寝転がっていた翔は体を起こしていて。
ジッとあたしを見つめていた。