恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
ヤキモチ
『ねぇ、ミチちゃんだよね』
『えっ?』
新学期が始まってから二週間ほど経った頃。
学校が終わって、いつものように自転車置場に自転車を取りに行った時。
後ろから声をかけられて振り返ると、
そこには翔の彼女である秋野さんの姿があった。
『あ……はい』
『ごめん、ちょっといいかな?』
『はい…』
そして秋野さんにそう言われたあたしは、乗りかけていた自転車を、自転車置場にまた止めた。
『あのね、翔…最近一緒に帰ってくれないんだよね』
『はい……』
『最近…ミチちゃん達と、放課後はいつも河川敷にいるんでしょ?』
秋野さんはそう言うと、ジッとあたしの顔を見つめた。
『あぁ……います…けど』
だからあたしはそんな秋野さんの目を見ないように、視線を逸らしてそう答えた。