恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜



でも翔は―――


『ごめん、今日は帰るよ』





そう言って、秋野さんの誘いを断っていて。





あたしはちょっと、自分って嫌な女かもしれないなって思ったほど、その瞬間はとても嬉しく感じられた。



つまらない嫉妬。


つまらない喜び。




あたしってこんなこと思うんだ…って、新たな自分の一面に、少し驚きも感じた。






『ねぇなんか秋野さんさぁ、ミチに敵対心燃やしてない?』



そしてそんな帰り道。



マナから突然言われた言葉に、あたしはビックリして。


思わず走っていた自転車にブレーキをかけて止まっていた。



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