2つの恋
10年前
「ごめんなさい…でもいつか貴女を迎えに来るから
待ってて」
私はそういわれて
何もわからず頷く
泣き崩れた
前の母親は
震えた声で私のスカートの裾を握った
その時の私は幼く
意味のわからないまま
立ち尽くしたままだった
『ママ……?
どうして泣いてるの?』
「華澄…
バイバイ
また会いましょう」
そうして母親は私のまえを去っていった
幼き義理の弟を連れて…