‡ツンデレラとオタクさま‡
でもオタばれを阻止するため。
また中学の時みたいにいじめられるのなんて嫌だから。
暗い思い出にハッとし、急いで頭をふる。
今は違うんだ。
今は桐谷先輩軍団にいるんだし。
桐谷先輩とはこの高校に入学してしばらくして出会った。
「1年に格好いい奴がいるって聞いたから見に来たけど」
「は、はあ」
「俺は気に入った。松村、昼行こうぜ」
これが始まりだった。
桐谷先輩の周りは、2年も1年は僕と友達だけだけどみんな格好いい。
女子からは、『王子軍団』『桐谷イケパラ』『桐谷軍団』とまぁ呼び名は様々。
でもダントツで桐谷先輩が人気。
僕も納得できるくらい。
あのきっかけで僕達は、必ず桐谷先輩とお昼を食べに行く。
まぁ、今は朝だしこんなに早かったら桐谷先輩もいないか。
誰も居ないだろう教室に向かいながら、颯爽と歩く。
途中、『松村君だ』『松村王子』などすれ違った女子達から聞こえる。