‡ツンデレラとオタクさま‡
優を見たら、やっぱり優も手紙を持ってた。
優は返事を書かない派。
前に何で書かないのか聞いたら、
『めんどくせーから』
らしい。
まあ、優は中学時代からモテてたからなぁ。
彼の性格も伴ってか、仕方ないのだと思った。
優が鞄を机に掛け、こっちに来てくれた時に教室の扉がバンって音をたてて開いた。
「松村、立花!屋上行こうぜ!」
「うす」
桐谷先輩だった。
僕と優は短い返事だけをして、僕は席を立ち、桐谷先輩の後に続いた。
屋上では別に何をするとは決まってないけど、頻繁に桐谷先輩に誘われる。
まぁ、ダベってるだけだけど。
どうせなら萌え話したいな。
とか絶対に出来ない事を考えながら歩いてたら、ドンッと誰かにぶつかった。
同時にカシャン、とも音がした。
「ごめんなさい!」
「あ、いや。こちらこそごめんなさい」
ぶつかった子を見ると、女の子は転けていた。
わたわたしながら何かを探すようにして動かされる手。
キョロキョロすると、僕の足元に眼鏡が落ちていた。