永遠の色を重ねて
──土岐さんへ。
貴女に笑顔になって頂きたくて、花咲爺さんこと光崎淳一郎さんに絵を依頼したのですけれど。私はどうしても、みーちゃんのことが気掛かりでした。
野良の猫ちゃんが病院まで追いかけて来るなんてそうそうある話ではありません。きっと土岐さんのことが大好きなのですね。
猫ちゃんには人間の都合など理解出来ません。土岐さんと会えなくなったらきっと悲しむ。ですから、二人が一緒に居られないかと考えたのです。
ご自宅の近くにホームがあると伺いました。なんと、光崎さんの知り合いの方がそちらにいらっしゃるそうです。連絡を入れたところ相部屋でよければ一つ空きがあるとのことでしたので、誠に勝手ながらご家族にご相談させて頂きました。
貴女に秘密にしていた事、申し訳ありませんでした。けれどこれでお散歩の時間など、気軽にご家族やみーちゃんにお会いになれますよ。
陰ながら、貴女が幸せに暮らせることを祈っています。
──綾瀬 優月