永遠の色を重ねて
◇
翌日。紅松 慎吾は時計を見て首を傾げていた。
いつも決まって同じ時間にやって来ていた妻が、夕方になっても姿を見せないのだ。
──昨日のあれで、怒らせちまったのかな…。
毎日は来なくて良い、とは言ったものの。いざそうなるとなかなか寂しいものだった。
──そういや、香耶乃とは高校ん時からずっと一緒なんだよな。
入学して、同じクラスになって、隣の席になって。初めは、騒がしい女だなぁと思ってた。
「ぅおっと!ヤバい、どうしよう…っ」
隣から聞こえてきた奇声にふと視線を向けてみれば、そこには真っ白な米だけが詰まった弁当箱が二つ。
「達哉のやつ、またカレーの方持ってったわ…!」
おかずのない弁当に撃沈する様子を見て、何だか哀れに思えてきた。
翌日。紅松 慎吾は時計を見て首を傾げていた。
いつも決まって同じ時間にやって来ていた妻が、夕方になっても姿を見せないのだ。
──昨日のあれで、怒らせちまったのかな…。
毎日は来なくて良い、とは言ったものの。いざそうなるとなかなか寂しいものだった。
──そういや、香耶乃とは高校ん時からずっと一緒なんだよな。
入学して、同じクラスになって、隣の席になって。初めは、騒がしい女だなぁと思ってた。
「ぅおっと!ヤバい、どうしよう…っ」
隣から聞こえてきた奇声にふと視線を向けてみれば、そこには真っ白な米だけが詰まった弁当箱が二つ。
「達哉のやつ、またカレーの方持ってったわ…!」
おかずのない弁当に撃沈する様子を見て、何だか哀れに思えてきた。