永遠の色を重ねて
急遽、予定よりも早く病院に帰ることになりました。
「みんなぁ、忘れ物しないでねー!」
一足先に車で帰った立樹くんと猪俣さんを除き、私達は元来た道を歩きました。
熱い日差しの中で他の子の体調にも変化がないか心配でしたが、何より気がかりだったのは海翔くんです。
「…海翔くん。さっきの、大丈夫?」
立樹くんはいつも落ち着いていて、あんな風に声を荒げる子ではありません。ましてや絵を見られたというだけで…。
何か理由があったにせよ、海翔くんは傷ついてしまったのではと思ったのです。
しかし予想に反して、海翔くんは明るい表情で答えました。
「別に何とも思ってないよ?あいつの気持ちも分かるしね。」
──立樹くんの、気持ち?
意味が理解出来ず首を傾げている私に、海翔くんは話してくれました。