永遠の色を重ねて
「ほら病気とか怪我とかするとさ、みんな異常に心配するでしょ?それが嫌で、一人になりたい時ってあるんだ。今回は僕の話しかけるタイミングが悪かっただけ。」
"だからあいつを怒んないで"、と海翔くんは言いました。
私はハッとさせられました。心配するのも仕事の内と、いつも当たり前のように接してきましたけれど。もしかしたらそれが患者さんを追い込んでいたこともあったのでしょうか。
まだまだ駆け出しの私よりも、同じように辛い思いをしてきた子ども達の方がよっぽど思いやりがあります。
何だか自分がとても小さな人間に思え、恥ずかしくなりました。
「…大丈夫。怒ったりしないわ。」
──帰ったら立樹くんときちんと向き合って話してみよう。
私は心に決め、みんなと仲良く病院に戻りました。