永遠の色を重ねて




 翌日の昼下がり、八嶋 海翔は自身の病室で漫画を読んでいた。


──暇だなー。


 病気になる前はサッカーをやっていたから、こういう時の時間の潰し方が分からない。


 一冊読み終わりふて寝をしようとした。すると…。


──コンコン…


 控えめなノック。それが立樹のものだと、すぐに分かった。


「どうぞー。」


 バツが悪そうに俯き、立樹は病室に入ってきた。そして目の前に来ると、突然バッと頭を下げた。


「ごめん!」


 一瞬何のことか分からなかったけど、すぐにこの前のことだと分かった。


「あー、別に気にしてないよ?僕だってたまに立樹に当たっちゃうし。」


 けど立樹は首を横に振り、後ろに持っていた何かを差し出した。


「これ、あの時描いてた絵。海翔にあげる。」


「えっ!?いいのか?」


「う、うん…」



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