永遠の色を重ねて
優しい月
季節は巡り、夏が来て、秋が来て、冬が過ぎ、再び春を迎えようとしていた頃でした。
「──えっ…アメリカに転勤?」
久しぶりの休日。学生時代からの恋人・今野 星慈(コンノ セイジ)からの衝撃的な告白に、私は驚きました。
「ああ。正直、いつまでかも分からない。すぐに帰ってこれるような距離じゃないし…」
これまでにも何度かそういった話は出ていたのですけれど、彼はその都度断ってくれていました。
こうして改まって言うのは、今回は行かざるを得ないということ。
──決断を迫られているということです。
「…優月。」
「はい。」
「俺は優月を愛してる。これから先も、一緒に生きるなら君がいいんだ。だから…」
星慈は一瞬目を閉じ、そして言いました。
「──俺と来てくれないか?」