永遠の色を重ねて


「一緒に…」


 別れ話かと身構えていたので、その一言はとても嬉しくて、ホッとしました。


──けれど、それは仕事を辞めなければいけないということ。


 まだ働き始めて一年も経っていませんし、何より私は看護士という仕事に誇りを持っています。辞めるだなんて、とても無責任なことに思えました。


「少し、考えさせて…」


 本当は星慈とずっと一緒に居たいし、看護士も続けたい。けれどそんな我が儘が通らないことは、分かっていました。


 だから、時間が必要でした。決断までの時間が…。


「…転勤は四月上旬だから、すぐに返事をくれなくていいよ。」


 星慈は私の頭を撫でながら、そっと微笑んでくれました。


「君の人生だ。君の思う通りに生きて。」


 その言葉はただただ優しくて、苦しかった。


──私は、選ばなくてはいけない。


かけがえのない恋人か、
小さな頃からの夢か。





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