永遠の色を重ねて
「ふぅ…」
あれからずっと考えてはみたものの、未だに答えが出ません。
仕事中もついため息を吐いてしまい、病院の皆さんに心配を掛けてしまいます。
「元気ないわねぇ。何かあったの?」
「いえ。私事ですので…あっ」
──カシャンッ!
手元が狂い、床にトレイを落としてしまいました。
「すみません…」
拾いながらふと、昔母に言われたことを思い出しました。
『あんたは本当、何やってもダメね。』
大人しい、決断力に欠ける。小学生のとき通信簿に書かれていたことをそのまま突きつけられたような言葉でした。
本当は、どちらを取るか決めていたのです。
──ただ、否定されることが怖くて、言えないだけ。
結果的にこうして周りに迷惑を掛けているのですから、自分が嫌になってきます。