永遠の色を重ねて
「私の、笑顔…」
確かに、転勤の話以来心から笑えていなかった気がします。
「全ては貴女次第、だよ。」
『君の人生だ。君の思う通りに生きて。』
一瞬、光崎さんと彼の言葉が重なりました。言われて改めて気づかされます。
──私の、未来なんだ…。
何を生きがいにするのか、誰と共に生きるのか。選択肢はあれど選ぶのは自分自身。後悔の…ないように。
今まで周りの反応ばかりを気にして、そんな簡単なことにも気づかなかったようです。
「…ありがとう、ございます。何だか少し、気持ちが軽くなりました。」
自然に笑うと、光崎さんも微笑み返して下さいました。
しばらくして、ふと思いついたように光崎さんはおっしゃいました。
「綾瀬さん。一つお願いしてもいいかな?」
「はい。何でしょう。」