春・紅茶・春
プロローグ
「おいしくない…。」
縁側でアッサムのミルクティを飲みながら呟いた。
「あんたが飲みたいって言うから、わざわざ茶葉から煎れたのよ?」
…だって美味しくないんだもん。
私がアッサムのミルクティを口にしたのは、かれこれ1年ぶりだった。
2年前。
高校3年生の春に、突然やってきた転校生。
メガネから覗く、真っ黒な瞳と、真っ黒な髪。
私は彼が煎れてくれたアッサムのミルクティが、大好きだった。
縁側でアッサムのミルクティを飲みながら呟いた。
「あんたが飲みたいって言うから、わざわざ茶葉から煎れたのよ?」
…だって美味しくないんだもん。
私がアッサムのミルクティを口にしたのは、かれこれ1年ぶりだった。
2年前。
高校3年生の春に、突然やってきた転校生。
メガネから覗く、真っ黒な瞳と、真っ黒な髪。
私は彼が煎れてくれたアッサムのミルクティが、大好きだった。