春・紅茶・春
1.春
―高校3年生・春―
「黒木くん。これ、クラスの連絡網。」
彼の名前は[黒木和成]。先週、突然やってきた転校生。
彼は、いつも図書室にいた。
「うちのクラスは、携帯の番号とメアド載せてるんだ。黒木くんのも同じように載せたいから…。」
「琴子?もぉ、こんな所にいたぁ。」
背後からの声が私の話を遮った。里桜だ。
「あれ?黒木くん。何読んでるの?」
無邪気に問いかける里桜を無視して、黒木くんは読んでいた本を閉じた。
「悪いけど、俺、携帯持ってないから。」
そう言って、図書室から出て行ってしまった。
あっ…行っちゃった。
「うわぁ。相変わらず感じ悪いねぇ~。」
転校してきて1週間。
感じが悪いというか…。
私には黒木くんが、ワザと人と関わらないようにしているように見えていた。
「黒木くん。これ、クラスの連絡網。」
彼の名前は[黒木和成]。先週、突然やってきた転校生。
彼は、いつも図書室にいた。
「うちのクラスは、携帯の番号とメアド載せてるんだ。黒木くんのも同じように載せたいから…。」
「琴子?もぉ、こんな所にいたぁ。」
背後からの声が私の話を遮った。里桜だ。
「あれ?黒木くん。何読んでるの?」
無邪気に問いかける里桜を無視して、黒木くんは読んでいた本を閉じた。
「悪いけど、俺、携帯持ってないから。」
そう言って、図書室から出て行ってしまった。
あっ…行っちゃった。
「うわぁ。相変わらず感じ悪いねぇ~。」
転校してきて1週間。
感じが悪いというか…。
私には黒木くんが、ワザと人と関わらないようにしているように見えていた。