おたく王子
衝突



朝日は廊下を走りながら視線を巡らせる。


どこ!?


どこに行ったの!?


時折すれ違う生徒が怪訝そうな表情を向けてくるが気にしてはいられない。


ガラッ!


朝日は自分のクラス――26HRの扉を開けた。

しかし、静まり返った教室の中には誰の姿もなかった。


ここじゃないの・・・。


落胆と安堵の入り雑じった気持ちで、他を探そうと教室を出ようとすると。


ガッ!


ドサッ!


朝日は前のめりに床に倒れ込んだ。


自分の身に何が起きたのかがわからない。


「・・・っ!」


なぜか背中が鈍く痛む。


その痛みのせいで床に横たわったまま身動きが取れない。


ガラガラッ。


ガチャッ。


背後で扉が閉まり鍵が掛けられる音がした。




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