おたく王子
「頼まれたって・・・」
朝日はわけがわからない。
一体誰が?
自分をこんな風にして何か得するだろうか?
それにコイツさっき、"君達"を、って言わなかった・・・?
「多分もうすぐ王子様が来るよ~。良かったね~」
「え?」
聞き返す朝日を無視して緑は携帯をしまった。
ふんふん鼻唄を歌いながら部屋の隅にあった椅子に腰かける。
緑の人を馬鹿にしたような態度にイライラしながら、朝日は尋ねた。
「・・・王子様って誰のことよ?」
朝日の問いかけに、緑は口角をニッと上げた。
「さぁて。誰でしょ~ね~」