おたく王子
携帯の画面には床に横たわって眠っている朝日の姿が写っていた。
「なによこれ!?」
朝日は食って掛かった。
いつの間に撮ったのだろう。
写真を撮られた覚えはない。
「さっき気絶してる間に撮っちゃった~。これ王子様に送ってここまで来てってお願いしといたから」
「え?」
「キミは人質ってこと。バァーン」
緑が指でピストルを作って朝日を撃つ真似をした。
しかし朝日は無視して言う。
「ちょっと待って!人質って何!」
緑は朝日の反応の無さに不満げだ。
口を尖らせながら答えた。
「そのまんまの意味ですぅ。俺二人とも苛めなきゃいけないじゃん?でもやっぱ二人とも拐ってくるのはかったるいし大変だからさー。キミだけ捕まえて人質にすればいいんだって思ってさ」
緑は俺って頭いいー、と自画自賛している。
しかし、それに朝日は反論した。
「私達に何するつもりだか知らないけど・・・来ないよ」
朝日の言葉に、緑は急に無表情になった。
「・・・は?」
「だから!是人は来ないって言ってるの!」