おたく王子
バンッ!!!!
部屋のドアが勢いよく開いた。
緑は手を止めてドアの方に目を向けた。
朝日は緑が覆い被さっていてるせいで周りが見えない。
「あらまぁタイミングの悪いこと。いらっしゃい。王子様」
そう言って緑は朝日から離れて立ち上がった。
朝日の視界が開ける。
そして、ドアの前に立っている人物が目に飛び込んできた。
ボサボサ頭に長い前髪。
平凡な顔。
華奢な細い体。
「是人・・・・」
他の誰でもない、香山是人がそこに立っていた。