おたく王子
バンッ!!!
「朝日ちゃん!!是人くん!!」
出し抜けにドアが開き、室内に新たな人物が現れた。
その人物は肩で息をしながら室内を見渡す。
「あ・・・!朝日ちゃん!」
朝日は目を疑った。
そして慣れ親しんだ友人の名前を呼ぶ。
「ま、眞子ちゃん・・・?」
どうしてここに・・・?
朝日は戸惑った。
眞子はすぐに朝日の側に駆け寄る。
そして朝日がロープで縛られていることに気づいて驚いた。
「朝日ちゃん・・・!こんなひどいこと・・・!」
眞子は急いで朝日の腕を縛るロープに手をかけた。
「あ~あ。なんかしらけちゃった」
緑が拗ねたように言う。
チラリと眞子を一瞥してから是人に向き直る。
「このオチビちゃんに免じて許してあげるよ、是人くん。良かったね~」
「・・・・」
是人は複雑な表情で前髪から手を離した。
緑は首だけで振り返って朝日を見ると小さく手を振った。
「バイバァ~イ、朝日ちん。楽しかったよん」
それだけ言うと緑は是人の横をすり抜けて部屋から出ていった。
室内には三人が残された。