kiss&キス
あたしは和真といるのが大好きで、
毎日和真を呼びにピンポンを鳴らしてた。
『かーずーまぁ!』
『千夏、危ないからあんまりそっち行くな!?』
『はぁーい』
あの時、和真の注意をちゃんと聞いてれば
あんなことにはならなかったのに・・・。
あたしがもっと注意してたら・・・。
『あ、お花だぁ♪』
和真にあげたら喜んでくれるかなぁ♪
そこは道路わき。
かわいい小さなピンク色の花がぽつんと咲いていた。
『和真ぁ!見てみて!』
『千夏、危ないだろー』
和真が走ってきた時だった。
プーッ!
『千夏!危ない!!』
『え・・・・』
ピーポーピーポー・・・・
今でも忘れない。
時々あの時の救急車の音が聞こえる。
聞こえてくるたびに、涙が出てきそうになる。
あの時、あたしが道路に出てなければ
和真はあんなふうにならなくてすんだのに・・・。
あたしの、せいだ・・・。