バツイチ高校生
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俺は笑えるほど不器用だった。男らしさなんかなかった。スポーツも、歌唱もできず、砂漠の秋の更けのように、誰も気づいてくれなかった。更ければ老けるほど。。。平凡。
友達もそんなに居なかったのね。何故か言えないけど、気づけば 「居ない」 という感じだった。
まあ、それでも悪くないのだろう。好きなことを、好きな時にできるから。友達が居たら、いろいろと気遣わないといけないよね。少なくとも、俺にはその義務がなかった。
教室の一番後ろに座り、隣の席がずっと前から空いたままで授業中窓から外を観察するという一人ぼっち男だった。周りには 「変」 と思われていたかもしれないけど。
人生は漫画だったら、俺が何かの危うい秘密を抱いているだろう。「実は宇宙人」 や 「実は超能力ある」 など。
でも、流石にそういうのないよね。夢寐(むび)の中だけのヒーロー。俺の夢で、何人か助けたことあるよね・・・しかし、実際にその場面が現れると、躊躇う。
彼女ができたこともなく、ああいう経験まだまだ十年先だろう。滑稽でしょう?。まあ、そっちはどうか分からないけど、クラスメイトにとっては、面白いそうだった。
「ええ?まだキスでもしたことないの?!ありえーん!」
「でも、やっぱその顔ね。。。」
こういうの盗み聞きが多かった。聞いてないフリしたけど、やっぱり心の痛みをいつまでも抑える訳がない。痛いは痛い、悲しいは悲しい。
そんな感じで、いつの間にか高校2年生になった。
ようやく、16歳になったと言っても、何も変わらないとその気がした。同じクラス、同じ学校、同じ変な匂いの先生たち・・・普通な平凡な陳腐な生活。
でも、ある日その生活が180°クルリと回転した。
残念ながら、俺から何の行動もなかったけどね。俺の人生を一言で表すと 「反応」 だな。とにかく、その影響に反応し、人生が変わった。
いや、変わったというか、その人が変えてくらった。
5月14日、担任先生がいつのように前に佇んだ。でも、いきなり意外な発言を出した。