雪の降る日に
タイミング良すぎだった。
思わずまだ噛み足りないパンを飲み込んでしまい、喉に詰まらせそうになった。
「─!? なんだお前、挙動不振なヤツだなー」
佐原はそう言いつつ、俺に牛乳をくれた。
受け取り、必死に飲む。
「サンキュ…佐原」
俺は呼吸を整え言った。
「…やっぱお前、最近なんかおかしいよなー」
ギクッ、とする。
佐原に目を向けると、ジッと見られた。
「なっ、なんだよ…」
「まぁ前々からおかしいヤツだけどな!」
佐原はキシシと笑った。
「わ、悪かったなっ」
俺は動揺を隠し、目を反らした。
「ってか七瀬、呼び出しされてんじゃん。何やったのかな~」
佐原はそう言って楽しげに牛乳を飲んだ。
「バカ、部活の事だろ。あいつ部長なんだから」
「ふーん」