雪の降る日に
「ッ!!やっ…だ!」
また、強引に七瀬の唇を奪った。そして、空いていた手で俺は、
七瀬のブラウスの襟を引っ張り、ボタンを一つ弾き飛ばした。
─バチッ!
音と同時にビクンッと七瀬の体が震え、抵抗が止まった。
見ると、怯えた瞳で俺を見ている。
「…どういうことしようとしてるか、わかる…?」
渦巻く感情とは裏腹に、
驚く程冷たい声が出た。
「…っ、や、やだ…」
何度も首を横に振る七瀬。手が小刻みに震えている。
「こわい?」
顔を寄せて俺は聞いた。
わかりきったことを。
七瀬はポロポロと涙を流し何度も頷いた。
「やだ…こわいよ…やだよ村上っ…!」