雪の降る日に
 


七瀬はバッと立ち上がり、教室から飛び出して行った。



呆然と、俺は七瀬が出ていったドアを見つめていた。




引き留める事が、出来なかった。 



─ダンッ!


俺は床を拳で殴った。
片手を髪の中に、無造作に入れる。


あんな、ボロボロの体で…
大丈夫なのか…?



「くっそ…」


謝る事も出来なかった。 
七瀬を犯して…こんな事して、許して貰えるはずなんてねぇけど…


「ッハ…当たり前だろ…」

静かな教室で、俺は自潮ぎみに笑い、一人呟いた。


涙が、溢れた。





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