雪の降る日に
「よっ。サボり部長」
学校で、佐原は開口一番にそう言った。
そのまま俺の前の席に座る。
「…なんだよ、腹痛だっつの」
佐原はハッと鼻で笑った。
「ユーキが、昨日7時頃に学校で!オメーを見たってよ」
……、バレてたか。
俺は返事をせず、ただ教科書を揃えた。
「てか、昨日の部長会議って中止になったんだろ?
部活、めんどくなったのか?」
手を止めた。
答えられず、黙る俺。
ふー、と息をつく佐原。
「まー珍しいよなぁ~。部活バカなお前が」
佐原は頬杖を付き言った。
「……うるせーよ」
─いつもの通りに。
頭の隅でそう思い、教科書を机にしまいながら言った。
「……なんか、あった?」
思わず顔を上げる。
佐原の瞳とぶつかった。