雪の降る日に
…そう。
俺は汚してしまったんだ。
七瀬を。
一番、大事な人を傷付けた。
寒くもないのに寒気がして、
体が震えた。
「な、なせ…」
息だけで呟いた。
次々と浮かぶ、昨日の光景。
七瀬の、苦しそうな顔。
俺はもう、
七瀬を思っちゃいけない。
わかってる。
けど。
『あはは、危なかったね』
笑顔も同じように消えなくて。
「───ッ」
罪の意識と、まだ残る思いが俺を押し潰した。
あぁダメだ…
消えない、消せそうにない。
俺…七瀬が…