雪の降る日に
 



後ろの席に座って、振り向いた七瀬と偶然に目が合ってしまうのが怖かった。

七瀬の反応、表情を見るのが怖かった。

昨日と同じような怯えた顔を見たら、
きっと俺は伝えられなくなってしまうから。







「では全員揃いましたので、これから部長会議を始めます。
まず、手元の資料の…」



進行役の話を聞き手元の資料を見ながら、今日の会議の場所が視聴覚室ではなくて良かった、と思った。


七瀬にとって、いや、俺にとっても。

昨日の出来事がフラッシュバックされてしまうだろうから。




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