雪の降る日に
 

もしかすると。
七瀬に会うことが出来なかったのは、神様が俺と七瀬を引き合わせないようにしたからかもしれない。


けど…
けど少しでも、望みがあるなら……。





息を切らせ、俺は茶道部の部室の前にいた。
ここは校舎の外れにあるせいかいつも人気がない。


今も、響くのは俺の乱れた息だけで、物音はしなかった。

足音を抑えて、入口に近付きそっと中を覗いた。




「七瀬……」




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