雪の降る日に
俺の中で、夢で見た七瀬と目の前の七瀬が重なった。
目の前にいる七瀬も、夢と同様、
涙を流していた。
─七瀬は、また俺が襲うと思ったのだろうか。
動けなくなった。
「私っ…絶対、誰にも言わないからっ……」
七瀬はしゃくりあげ、体を震わせ両手で涙を受けて泣いていた。
「お願い…っ…」
俺は、どこか現実味がないまま七瀬を見つめていた。
昨日のことがフラッシュバックされるのは、場所…なんかが問題じゃないんだな…。
「もう……っ」
『何もしないで』
そう言いたいんだろう。