雪の降る日に
 


あぁ…
七瀬にとっては俺が、一番


側に居て欲しくない相手なんだ───。




「……わかった」




その言葉を聞くと七瀬はハッとし、俺を見た。

俺は目をそらし、うつむいた。


七瀬は涙を拭い、震えを押さえ込むためか、唇をきつく噛み締め目を閉じた。
そしてぎこちない足取りで、俺の横を通った。


後ろから響く、入口へ向かう足音。







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