雪の降る日に
 

なんだ、俺。本当に変だ。

─だって、七瀬なんだぜ?

七瀬は、中学の頃はかなり地味なほうだった。俺だって目を向ける事は全くなかった。

それが、最近はずっと───


ボーっとしていたせいか、生物の時間はあっという間だった。
俺は教科書を持ち、ゆっくりと立ち上がった。
と、廊下に一瞬七瀬の姿が見えた。
心臓がドクンと高鳴った。

─あぁ、教室に戻んだよな…。

廊下に出て、生物の教科書をしまう。


また七瀬の事考えてた…
これじゃ、俺まるで………

「よっ」
肩に軽い感触を感じた。 

「うわっ」

俺はビクッとし、振り向いた。

佐原がいた。


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