あたしの執事
大輔さんは私がリムジンに乗った後、ゆっくりドアを閉め、運転席へ行った。



大輔さんの運転姿……初め見る……。
私はボーっと大輔さんを見つめた。


「そんなに見つめないで下さい……運転が出来ません(笑)」



わ……笑った……。
喧嘩ではなかったけど……私が怒る前以来の笑顔。


キューン……


ほら……また鳴っちゃったよ……。



大輔さんは庭の中ってのもあって凄くゆっくりに車を走らせる。



あれ……そう言えば……凌ちゃん、どこにいるんだろ?


私はキョロキョロ周りを見渡す。


門の外で体を震わせながら、庭を見つめる人……。


理想の男性……凌ちゃん……。


「大輔さん!!止めて!!」



私は車を止めさせ、凌ちゃんに駆け寄った。


「凌ちゃん!!」
「ココロ……」


少し寂しそうな凌ちゃん。
私がいなくなるのがそんなに悲しいの(笑)?



「また会おうね!!」
「元気でな?てか……その運転席にいる人……ココロの執事?」
「うん……そうだけど……なんか大輔さんがどうかした?」
< 112 / 127 >

この作品をシェア

pagetop