あたしの執事
「大輔さん……ここ学校?」



だって……学校らしいもの一つも見つからないから。
学校の近くに行けば、明かりがいっぱいあるから明るくなってるのに、この場所は真っ暗……。


もしかして……みんなもう寝ちゃって電気とか消してるとか?
……いや、違う。まだ寝る時間ではないし、寝てるとしても一人は起きてる人はいるはず……。


なら……ここはどこ?


すると、大輔さんは私の心を悟ったのか

「ここがどこか心配ですか?ここはココロ様のお気に入りの海です」



え?私のお気に入りの海……?
なんで……海なんか……。


海なんて、何年ぶりだろう……。



昔、海でずっと遊んでて、大熱出しちゃった事があった。
それ以来、お母さんもお父さんも海に連れてってくれなかった。



大輔さんもそのうちの一人だった。



なのに……何で急に立ち入り禁止だった海に連れてきてくれたのかが気になってしかたなかった。



「大輔さん……どうして?」
「大毅さんとハルカ様には内緒ですよ」


そう言って縦にした人差し指を唇につけた。


「う……うん……」
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