あたしの執事
台所に着いて、お母さんは静かにご飯の用意をした。
慣れない手つきで料理をするお母さん。分からない事がある度に私を見る。
いつも家政婦さんにやって貰ってるのに、今日は特別だから…って…。
家政婦さんって言っても、フリフリの服着たお姉さんばかりだけどね…。
私はお母さんの隣に立って、お母さんの事を手伝う。
「ねぇ…お母さん…」
「何?ココロ?」
「お父さんの事…いつから好きだったの…?」
「なっ…ココロったら!そんな事聞くのやめさないっ!」
顔を真っ赤にして、お母さんは、親の口調になった。
「お母さん、顔真っ赤だよ」
「ココロが変な事聞くから―!」
どんどん赤くなるお母さん。
何か可愛く見えて仕方なかった。
お父さんもこんなお母さんに惚れたんだな…。
ガチャ…
ゆっくりドアが開いた。
そこには、お父さんと大輔さんが立っていた。
「おい、ココロ俺のハルカをいじめんなよ―!」
「いじめてないしっ!…ていうか…どんな事話してたの!?」
二人は顔を見合わせてから、私を見た。
「内緒♪」
お父さんは、いたずらっ子みたいな顔して言った。