あたしの執事
『サンタクロース?』
『そう…サンタクロースっていうのはね、いい子だけに来るのよ』
『そうなの…?』
『だから、ココロ…いい子になるのよ?』
『うんっ!ココロ…いい子になる!』




小さい頃の夢見てた。
サンタクロースを信じていた私。
今思えば、凄い子供だった。



一階からとてもいい匂いがしてきた。
お母さんは、まだ寝ているからお母さんではない…。
なら…お父さん?家政婦さん?それとも…大輔さん?



私はゆっくり階段を降りた。


ガチャ…


私はそっとドアを開けた。


そこには、いつものエプロンをつけている大輔さんが料理をしていた。


「大輔さん…私も手伝う…」
私は大輔さんの隣に立った。


「お顔洗いましたか?」

私は首を左右に振った。


「なら、洗って来て下さい」

廊下に出されちゃった…。


私は仕方なく洗面所に行った。


お湯がでる洗面所。
私はお湯を手で取り、顔を洗う…。


目の前の鏡を見る。


そこにいたのは、すっごい寝ぼけた顔してる女。


紛れもなく私だった。
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