あたしの執事
「あ…これ…その子犬に…」


私は買い物袋から、ソーセージを取り出した。


「ココロ様は本当に優しいですね」


そう言って、大輔さんは、ソーセージをちっちゃく切って子犬にあげる。



触っちゃいけないって言ったの…大輔さんじゃん…。



でも、その子犬を見て微笑む大輔さんの笑顔も…すごく可愛くて…ニッっとした口も…全部が好き…。



「ココロ様…?ちゃんとハルカ様に頼まれたものは買ってきましたか?」


もう…大輔さんは心配性なんだから…


そう思いながら、買ってきたプリンを大輔さんに見せた。



「心配してすいません(笑)」
「あっ!!大輔さん…私が買ってこないなんて思うなんて最悪―!!」


その場から離れ、はや歩きになる私を追いかけてくる大輔さん。


その大輔さんを追いかけて、子犬が来る。



「大輔さん…その犬…」



「なついちゃいましたね(笑)」
「笑い事じゃない―!」



たしかに…たしかに、大輔さんになつくのは分かるし、可哀想だからソーセージあげたっていうのもあったけど…あったけど…。



私の家では飼えない理由が、お父さんが犬アレルギーだから。



だから、ずっと犬は飼って来なかった。



なのに…今連れて帰ったら、もっと可哀想な思いするに決まってる…。



だけど大輔さんはそんな事知らないから、子犬を抱っこして、私に着いてくる…。
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