あたしの執事
そんな事考えてるうちに家の前まで来てしまった。
いっこうに門を入ろうとしない私。
そんな私の横を通って門を開ける。
「どうぞ♪」
大輔さん…どうぞなんて…今そんな暢気になんないでよー!
「お―ココロお帰り」
げ…お父さん…。
本当にタイミング悪すぎー!!
「大毅さん!!見てください!!犬です!」
お父さんに嬉しそうに見せる大輔さん…。
もう…また返しに行かなくちゃじゃん…
「可愛いじゃないか―」
え…?
「どこにいたんだ!?」
あの…お父さん…?
あなた…犬アレルギー…
「ココロ様はずっとお父さんが犬アレルギーだと信じてたみたいですよ?」
「そうなのかココロ!?」
はい…?
「お父さん…犬アレルギー…じゃなって事…!?」
「そうだ…ごめんなココロ!」
嫌…なんか…まじで騙されてた気分…。
騙されてたんだけど…。
私は何も言わず家に入り、台所に買ってきたプリンを置き、すぐさま部屋に入った。
「お父さんの馬鹿―!」
どんだけ心配したと思ってるの!?
もう…苛々する―!!
私はクッションをドアに投げつけた。