あたしの執事
ゆっくり庭を歩く…。
暗い中、一人で歩くのは初めてだった。
少しビビりながらも、歩く私。
門が目の前に見えた。
門の外では、凌ちゃんが手を振っていた。
私は凌ちゃんに手を振り返して、凌ちゃんのいる所に走り出す。
「ココロおはよっ」
「おはよ…」
昨日と、全然違う格好…。
凄く大人っぽく見えた。
ゆっくり門をくぐり抜け、凌ちゃんに近寄る。
「ココロ、朝…弱い??」
「き…決まってんじゃん!!凌ちゃんは…強いの?」
「ああ…俺は部活の朝練とかあるからな~ぁ♪」
朝練…か…すごくいい響き…(笑)
「凌ちゃんは…何部入ってるの??」
「んあっ?俺?俺はねえ…野球部!」
でも…野球部って坊主のイメージがあるのに…凌ちゃんはどっちかと言えばロン毛。
坊主で甲子園行くぞー!っていうやつが野球部なんじゃないの…?
私の野球部のイメージは一気に崩れ去った。