あたしの執事
向いてよ……こっち向いてよ……。
「ココロ……ここ入ろうぜ」
私はうつ向いていた顔を上げる……。
凌ちゃんが指を差す場所は……
私が大嫌いなお化け屋敷。
「嫌だ……」
断るのは当たり前……。
だって大嫌いなお化け屋敷には、好きな人と入るって決めてたから……。
大輔さんと……入るって決めてたから……。
「そっか……じゃあココロ、あれ乗って来いよ」
凌ちゃんは指差すけど……どこを指してんのか分かんない……。
「え!?どれっ……!?」
「メリーゴーランド」
メリーゴーランド……
小さい時に凌ちゃんと一緒に乗ったやつ……。
小さい遊園地だったけど……まだ小さかった私達にとっては、ちょうどいい大きさだった。
その時は、私はカボチャの馬車みたいなのに乗って、凌ちゃんは隣の馬に乗った。