心涙
プロローグ 叶多
俺は思っている事を口に出すのは苦手なほうで、

ずつと、君に甘えていたんだと思う。
    



だから、
気付けなかった…
いや、気付かないふりをしてきたんだ。    


君が陰で泣いていたことも…



あの笑顔の内で心は、
いつも泣いていたんだね。




俺は君の気持ちに気付けなかった。



いや、本当は気付いていたのかの知れない。




君の口から真実を聞かされるのが怖くて、逃げていたんだ。



もう遅いけど、
もしあの頃に戻ることが出来たなら、

俺のせいで泣かすことなんて絶対しない。




でも、もう遅い。だから決めたんだ。


君には笑っていてほしいから………。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop