彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
小春ちゃんはデジカメを
セルフタイマーにセットした。


レンズをこちらに向けて
デジカメを机の上に置く。


『よぅし!!ほなお願いします』


ん?


『何すれば良いの?』


単体じゃないのって…



小春ちゃんは
気持ち上目遣いで
ゆっくり俺に近く。


『直樹くんは…
私に任せてくれたらええから…』



…え?



小春ちゃんの腕が伸び
俺の胸に軽くタッチした。



え!?


ちょ…


『ちょい待っ…!』



まさか
絡みシーンってことか!?


俺は慌て
小春ちゃんから離れようとした。


でもすでに
予想よりずっと近くにいた
小春ちゃん。


後ろはベッド

前は小春ちゃん


四面楚歌…

背水の陣…!



逃げ場のない俺の足は
空振るように宙を泳いだ。


『ほぇ?』


小春ちゃんが
顔を上げたと同時に


『うきゃっ!?』


俺の泳いだ足が
小春ちゃんの足を蹴りあげてしまった。


しまった…!


思った時には既に遅く…


バランスを崩した
小春ちゃんが俺に倒れてきた。


くっ…!!


なんとか堪えようとしたけど…



無理だった。



そのままベッドに倒れこんだ。




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