彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
『…うぅ』


重い……

なんか……前にもあった展開。


デジャブ?

今回はふかふかベッドで
後頭部は痛くないけど…


俺はうっすら目をあける。


やっぱり…


やっぱり今回も

小春ちゃんが馬乗りで
俺の上でのびている…


――パシャッ!


え…?


驚いて
首を起こしてみると


デジカメのセルフタイマーが
このタイミングで光ったらしい。


タイミングが良いのか悪いのか


持ち主と同じく
キテレツなデジカメだよ…。


『うにゃ~…』


俺の胸の上で
小春ちゃんが唸る。


『なんなんよ~直樹くん…』


顔を上げた小春ちゃんは
俺の顔を見て固まる。


『え…ぇ~?直樹くん…
さ…誘ったん…?』


顔を赤く染める小春ちゃん。



んな訳ないだろ…!


『事故だよ、事故。』


俺は小春ちゃんを
押し退ける。


『ちぇ~…』


小春ちゃんは唇を尖らせて

ぴょんッと
ベッドから飛び下りた。


俺も起き上がる。

『小春ちゃん…悪いけど…』


『ん?』

首を傾げて
笑顔で俺を見る。


言いにくいなぁ…

でも…


『絡みとか抱き合うとかは…
さすがにモデル出来ないよ』



いくらモデルとはいえ…

お互いの両親に
合わせる顔がなくなるから。


『ごめんな。』




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