彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
『あれ、変態は?』


お箸を持った
太一くんが首を傾げる。

『まだ下りてけえへんねぇ?
いつも1番がっつく子やのに…』


よっこらしょ、と
オバサンが腰を上げて

『小春~ご飯やで~』

と2階に向かって叫ぶ。



トン…トン…トン…


階段から足音がして
小春ちゃんが現れた。


ガタッ

椅子を引いて
無言で座る小春ちゃん。


『なんやねんその陰オーラ…』


太一くんの問いにも
無反応で俯いたままの
小春ちゃん。


俺は気まずい気持ちで
いっぱいだった。



夕飯はそのまま
最後まで気まずかった。

いつも笑って
美味しそうに食べる
小春ちゃんが


2~3口にか
食べなかった。



『ダイエットなら…
しても無駄やで?』


太一くんの言葉にも
言い返さない小春ちゃん。





原因は俺だ―…。


ここまで
落ち込むなんて…。





< 42 / 90 >

この作品をシェア

pagetop