彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
夕飯と風呂を済ませて
俺は部屋に籠った。


いつもなら
太一くんの部屋で
家庭教をする時間。



だけど…

どうしても
今日は…

今日だけは
気分がのらない。


太一くんに
適当な言い訳をして

今日は休ませてもらった。


情けない―…

マジで情けない。


太一くんにも
申し訳ない。


こんな自分に腹が立つ。


ほんと何してんだよ…


罪悪感と苛立ちを
鎮めるように布団に倒れこむ。


目を閉じると…

小春ちゃんの
悲しい顔が浮かぶ。


冷たくしたのは俺だ。


だけど、
あんなに落ち込むなんて。


小春ちゃんも…

俺自身も―…








そのまましばらく
ふて寝していると


ガチャ…


ノックもなしに
部屋のドアが開かれた。


…え!?


驚いて
上半身を半分起こす。




見上げると
小春ちゃんが立っていた。


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