彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
ヒュルル~…ドンッ!!


音と同時に
小春ちゃんの顔が花火の色に染まった。


『あ…』

『ふわぁぁ!!!』


俺と小春ちゃんは
同時に上を見上げた。


ドンッ ドンッ


次々と打ち上げられる
大輪の花火。


周りからも歓声が聞こえる。


『うわぁ…めっちゃ綺麗』

『近いから迫力あるね』


ふと
俺は小春ちゃんを見た。


小春ちゃんの丸い瞳に
花火が映り込んで

キラキラ輝いている。


少し汗ばんだ肌は
花火の明かりで艶やかだった。


浴衣の襟足からのぞく
小春ちゃんの細いうなじ。



『…綺麗だね。』

『うんッ!』


花火に釘付けのまま答える
小春ちゃん。


くく…

分かってないなぁ…


『小春ちゃんがね?』

『…へっ?』


俺を見る小春ちゃん。

俺は小春ちゃんを見つめた。


『浴衣、すごく似合ってるよ。
すげードキドキする。』


俺は昼に言いたかった
言葉を言う。



目を真ん丸にする
小春ちゃん。


『え…うあ…あの…え?』


小春ちゃんは
真っ赤にテンパって噛みまくった。


思わず笑う俺。


『あ、にこちゃんマークの花火だ』


『ほぇえ!?』


俺が指差すと
小春ちゃんはまた空を見上げた。



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